岩倉建設株式会社

人と地域の未来を守るため、北海道の大自然と向き合い続ける。PROJWCT STORY[プロジェクトストーリー]

厚真川水系 日高幌内川基幹堰堤外工事

のどかな田園風景が広がる郊外を後に、山間へと進んでいくと見えてくる巨大なコンクリート構造物。現場は、2018年に発生した北海道胆振東部地震で最大震度が観測された厚真町に流れる、厚真川水系の日高幌内川と東和川。 岩倉建設は、大規模な山腹崩壊や河道閉塞への緊急対策工事後も継続して行われている恒久対策工事の一つを担い、将来発生し得る土石流を受け止め、土砂災害の被害を最小限に抑える砂防堰堤を建設しています。甚大な被害を受けた町と地域の復旧・復興への取り組みであり、これからの生活を守る、災害に強い環境づくりを推進するプロジェクトに、一丸となって責務を果たす社員たちの声を集めました。

MEMBER

本社 土木技術部 担当部長谷島 哲男

1993年入社
工学研究科修了
名寄市出身

現場の技術支援に長く関わったキャリアを活かし、技術提案書の作成に携わる。社内のネットワークシステム管理も兼務。趣味は学生時代から続けている古流武術。北海道神宮例大祭で披露することもあるそう。

本社 土木部 積算課 課長関下 貴之

1997年入社
工学部卒
室蘭市出身

橋梁メーカーで設計業務を経験した後、中途入社。マネジメントシステムの仕事から土木工事の積算業務へ。休日のルーティンは、早朝に1時間ほど歩き心身をリセットすること、その後に1週間分の食材をまとめて買い物すること。

本店 土木部 工事課角田 悠也

2016年入社
土木科卒
旭川市出身

砂防堰堤の躯体、橋台、橋脚など、現場は違うがコンクリート構造物に多く携わり、やりたかったという仕事を楽しんでいる。車が好きでドライブはもちろん、自らカスタマイズすることも。マンガや小説、ビジネス書を読むのも趣味。

MEMBER

本社 土木部 工事課前田 祥

2022年入社
工学部卒
苫小牧市出身

家族が建設業に携わり、ものづくりに興味があったことからこの業界へ。高校の先輩だった角田とは共通の趣味である車の話で意気投合。ひと月で5,000Kmも走ったというドライブ好き。愛用のカメラで野鳥の撮影に出かけることも。

本社 土木部 工事課本田 晃稔

2021年入社
土木科卒
札幌市出身

災害からの復旧・復興を目指す現場に、やはり他とは違う責任ややりがいを感じている。休日は札幌へ帰り、夏は草野球チームで汗を流し、友人たちとドライブなどで集まるのが楽しみ。仕事の話や情報交換ができる同業の友人も多い。

本社 土木部 土木課 工事長川口 雄二郎

1993年入社
土木工学部卒
帯広市出身

道内各地でさまざまな現場を担当し、所長に就いてからは公共事業に多く携わり表彰も経験。大型プロジェクトの後は休暇を取り、妻と愛犬2匹を連れて旅行へ。全道のペットOKの宿をほぼ網羅し気に入った宿に再訪するという愛犬家。

STORY1

でき得るすべての力を
言葉に込めて。

公共事業の受注には、まず入札という壁を乗り越えなければならない。本プロジェクトでは、発注者側から求められる複数のテーマに確実に応え、かつ評価を得られる計画をまとめた技術提案書の提出が必須であった。今回その作成を担当したのが土木技術部で担当部長を務める谷島だ。「工程管理や技術面などテーマは大きく3つあり、それらについて現場の環境や問題点、過去の類似事例などをリサーチし、社内のヒアリング、関係者による打ち合わせを重ねながら素案を作成していきました。入札では多数の競合応札会社が想定されたので、比較検討された場合に評価点が下げられないよう、現場の特徴や施工上の留意点などのキーワードを漏れなく盛り込み、より伝わりやすい文章表現を目指しました」

自らどこまで文章にできているか試行錯誤するが、提案書の作成には組織的な連携があってこそで、近隣工事を担当した社員たちから得られる多くの情報と、各部署の担当者たちによる指摘や添削を繰り返すことが完成度を高めることにつながると話す。結果、提案書は満点評価。総合評価で有利になり落札、プロジェクトのスタート点に立つことができた。

STORY2

最善の数字を組み立て、
積み上げる。

技術提案書と共に提出する工事費を算出し、工事着手後は現場の要望に基づき追加や変更に関する費用を検討し調整していくのが積算課の仕事。大きな金額を扱う本プロジェクトでは、課長の関下を中心としたメンバーで積算・比較・検証を進め、精度の高い積算を行い受注に至ったと言う。しかし受注後初期の段階で工事内容が大幅に変更され、解決しなければならない事案が多量に発生した。「現場の要望を確認しながら施工見積の提案なども行い、本社から現場をサポートしました。設計変更の資料作成やコストの再算出などのやり取りを通して、川口所長をはじめ工事を担当する側の思いやこだわりを垣間見ることができ、仕事への情熱ややりがいを共有できた良い機会になりました」と振り返った。

土木部門では年平均で百数十件の入札に参加している。その中でようやく受注に至った工事が、2次元の設計図面から3次元化されていく様子を確認できた時に高揚感を得られるそう。プロジェクトも終盤になり、今後さらに変更や追加事項が増えてくると言い「現場の要望にできるだけ応えることでより良い成果を挙げ、表彰されるような工事につながると嬉しい」と笑顔を見せた。

STORY3

携わった時間を超える
大きな達成感。

入社7年目の角田は、施工管理の中心となり2人の後輩をリードしている。このプロジェクトには2つの現場があり、その距離は約10.7km、車で20分ほどかかる。角田は主に日高幌内川の現場を入社1年目の前田と担当し、東和川の現場は入社2年目の本田に任せている。「ここ数年で現場の2番手として、後輩の指導にあたるようになりました。後輩に指示を出しながら自分が新たに任された仕事をする難しさを感じつつも、2人とも吸収力が高く助けられています。年齢も近いのでよく話し、彼らが何でも聞きやすい環境づくりも心がけ、後戻りする作業が無いように工事を進めています」

新入社員の前田は、苫小牧出身で幼い頃は厚真町の隣、むかわに住んでいたこともあり、地震では家族や親戚が被災した。当時学生だった前田は、離れている家族や親族が周りの方々に助けられたことに感謝し、恩返しがしたいとの思いで地域の復旧・復興に携わる岩倉建設への入社を決めたのだという。「会社に話していたので、早く現場に来ることができて嬉しい」という一方、「初めての現場に工事が進んでから入り、仕事を覚えることに苦労しているが、平面で見ていたコンクリート構造物が立体になっていくことに、ものづくりをしている実感が湧いてきています」と笑顔になると「誰かの暮らしの役に立ち、誰かの命を守るものを年単位の時間をかけて造り上げる仕事にやりがいと魅力を感じますし、一つの現場が終わった後の達成感はとてつもないもの」と角田が続けた。

STORY4

鍛えられた現場力に、
成長を感じる。

「来週完成します。コンクリート構造物はやはり目に見えるものなので、よりやりがいを感じられます」と言う本田は、入社2年目にして現場を預かった。先輩の角田や所長のサポートはもちろんあり、現場事務所ともカメラでつながっていてリアルタイムで現場の様子を確認してもらえるが、やはり距離はある。「不安もあり、自信もない状態でしたが、やらなきゃならないということで、所長や先輩、協力会社の職長の方、皆さんに教えてもらいながら、とにかく現場でよく話し合い知恵を出し合って仕事を進めてきました。段取りからすべて自分で行い、いろいろなことを乗り越えてミスなくやり遂げた時に達成感を感じます」

高校時代は野球部でサードを守り、主将を務めていたそう。そのリーダーシップを施工管理者としても発揮できているかと問うと「野球では自分に自信があり、周りに指示することもできたんですが、仕事ではまだわからないことも多く、コミュニケーションをうまく取れないこともあって。まだまだ、ですが頑張っています」と真摯に答えた。スポーツで培った芯の強さを感じる、もっと自分らしさを出してもらえる経験になればと所長の川口が預けた現場で、本田は逞しく鍛えられている。

STORY5

教えながら、自らも学び、
挑戦して。

若手に現場を任せて切磋琢磨できるように、自発的に向き合えるようにと仕事の環境づくりに心を配る、所長の川口。「私自身、本当に面白い仕事だと思っているんです。だからこの面白さを早く若手に気づかせたい、わかってもらえるようにするのが自分の役目なんです」と笑う。子どもほども年齢が違う世代の社員たちと仕事をし、この先優秀な技術者になってもらえるよう指導、教育をしているが、自らも学ぶことが多いと言う。「新しい物好きなので、ICTの導入には積極的に取り組んでいます。本社のサポートもあり、できることは何でもやってみようと、みんなで面白がって挑戦しています」と楽しそうだ。

大きな現場を動かし、評価を受ける成果を上げなければならないという責任も背負うが「とてもやりがいがあります。これだけ地域や人の役に立てる、貢献できる仕事はそうないと思っています。岩倉建設ではいろんな現場を担当することができるので、多様な力が身に付きますし、いろいろな考え方ができるようになる。さらに仕事を任せてくれる自由度が高い社風なので、自らの経験を活かして達成感を味わうことができます」と岩倉建設の仕事の魅力を教えてくれた。

EPILOGEUE エピローグ

高さ15mほどにもなる巨大なコンクリート構造物の下部を指して、地中にも2mほど構造物が入っていると川口所長が言った。
目に見えないもの、日常的に人の目に触れないものも造るのが、土木チームの仕事だ。
ヒグマも出没するという大自然の中で、“もしまた地震が発生しても何十年も何百年先も地域と人の安全が守られるように”と、関わる全員が願いながら仕事を続けている。

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